タクシーの料金メーターには、たくさんのボタンが付いています。
前回の記事では、右側にある「空車」「実車」「支払」「合計」の4つのボタンを紹介しました。
今回はその続きとして、左側にある4つのボタンと、下側に並んでいる10個のボタンについて説明したいと思います。
私は2012〜2015年頃、東京都内のタクシー会社「グリーンキャブ」で働いていました。
新人の頃は、これだけボタンがあると全部覚えなければならないのかと心配になりましたが、実際によく使うボタンは限られていました。
特に左側の「迎車」「高速」「書込」や、下側の「累計」「経由」などは、どのような場面で使うのか知っておくと便利です。
今回も実際に乗務していた車両の写真を使って、私が当時どのように操作していたのかを紹介します。
※この記事は2012〜2015年頃の勤務経験と当時の記録に基づいています。現在の料金メーターの操作方法や運賃制度とは異なる場合があります。
タクシーメーターの左側4つと下側10個のボタン
まずは、当時使用していたタクシーメーターの写真をご覧ください。
写真の左側には、上から「迎車」「高速」「未収」「書込」という4つのボタンが並んでいます。
また、メーターの画面の下には、横一列に10個のボタンがあります。
下側のボタンは少し文字が見えにくいですが、左から「累計」「未使用」「休憩」「人員」「未使用」「経由」「予約」「早朝」「障割」「迎・無」という並びでした。
今回は、それぞれの役割を順番に紹介します。
左側①「迎車」ボタン|無線配車のお客さんを迎えに行くとき
左側の一番上にあるのが「迎車」ボタンです。
私が働いていた頃は、無線配車の仕事を受けたときに使うボタンでした。
当時の無線配車では、配車の知らせがチャイムとともにカーナビの画面に表示される仕組みになっていました。
私の記録では、その表示に対応できる時間は約5秒ほどでした。
その間に迎車ボタンを押すことで、無線配車を担当することができました。
配車を受けると、カーナビの画面にお客さんの住所や到着予定時刻などが表示されます。
あとは、その案内を参考にお迎えに向かうという流れでした。
無線配車は売上を伸ばすチャンスでもあった
私が働いていた当時、無線配車は街中でお客さんを探す営業よりも、まとまった売上につながる場合がありました。
当時の記録には、無線配車の1回当たりの単価が約4,000円、一般の流し営業や付け待ちでは約1,500円といった目安も残っています。
もちろん、これは私が当時聞いていた目安で、すべての乗車がこの金額になるわけではありません。
それでも、無線配車の仕事が入るとありがたいと感じることがありました。
特に新人の頃は、迎車ボタンの場所と配車の受け方をしっかり覚えておくと安心だと思います。
左側②「高速」ボタン|高速道路を利用するとき
左側の上から2番目にある緑色のボタンが「高速」です。
私が使用していたメーターでは、高速道路を利用するときと、高速道路から一般道に戻るときに操作していました。
タクシーの料金メーターは、走行距離だけでなく、低速走行時の時間なども関係する仕組みです。
高速道路では一般道と異なる扱いがあるため、当時の機器では専用のボタンを使っていました。
この高速ボタンも、押し忘れに注意する必要がありました。
例えば、お客さんを乗せて首都高速道路に入り、その後一般道に降りる場合です。
高速道路に入ったときと降りたとき、それぞれ適切な操作が必要でした。
私の経験では、左側のボタンの中でも、この「高速」は特に場所を覚えておきたいボタンでした。
ただし、高速道路利用時の運賃計算や操作方法は、現在の機器・運賃制度によって異なる場合があります。
左側③「未収」ボタン|当時は使用していなかった
左側の上から3番目が「未収」です。
名前を見ると、料金をまだ受け取っていないときに使うような印象がありますよね。
ただ、私が働いていた頃は、このボタンを通常の営業で使用することはありませんでした。
当時の記録にも「未収ボタンは使用しない」と書いてあります。
そのため、新人の頃にすべてのボタンの操作方法を覚える必要はなく、普段使うものを優先して覚えればよいと思っていました。
なお、別の会社や機器では使用する場合も考えられますので、現在の操作方法は勤務先の指示に従ってください。
左側④「書込」ボタン|営業終了後に日報データを記録する
左側の一番下にあるのが「書込」ボタンです。
これは、1日の営業が終わったときに使っていました。
私が乗務していた車両には、メーターの下側にメモリーカードを差し込む部分がありました。
営業中の乗車地や降車地、運賃、走行距離などの情報が記録されていて、帰庫した際に「書込」ボタンを押してカードにデータを書き込みます。
その後、営業所の端末にメモリーカードを差し込むと、1日の営業内容をまとめた自動日報が印刷されました。
この日報には、売上だけでなく、休憩時間や走行速度なども記録されていました。
私は毎回日報を持ち帰り、自宅のパソコンでExcelに運収を入力して、月間売上や翌月の給料を予測していました。
自動日報については、別の記事で実際の記録を紹介しています。
【関連記事】:「タクシーの自動日報とは?元運転手が売上・走行記録の見方と活用方法を紹介!」
メーター下側の10個のボタンを紹介
続いて、メーターの画面の下側に横一列で並んでいる10個のボタンです。
写真を見ると、文字が薄くて少し分かりにくい部分もありますが、当時の記録をもとに順番に紹介します。
①「累計」ボタン|その日の売上を確認する
一番左にあるのが「累計」です。
私が使っていたメーターでは、このボタンを押すと、その日の売上を確認することができました。
税込金額や税抜金額が表示される仕組みでした。
タクシー運転手は、1日の売上が給料に影響することもあるので、今どれくらい稼いでいるのか気になりますよね。
私も営業の途中で売上を確認することがありました。
新人の頃は、税抜運収で1日平均5万円を一つの目標にしていました。
もちろん、毎回達成できるわけではありませんが、目標があると営業にも張り合いが出ます。
②「未使用」|当時は使用していなかった
左から2番目のボタンは、私が働いていた頃は使用していませんでした。
普段の営業で操作する必要がなかったため、特に覚える必要はありませんでした。
③「休憩」ボタン|当時は別の方法で休憩を登録
左から3番目にあるのが「休憩」です。
ただ、私が勤務していた頃は、休憩を取るときにカーナビ側の休憩登録ボタンを使うように言われていました。
そのため、メーター下側の「休憩」ボタンは使用していませんでした。
休憩時間は自動日報にも記録されるので、正しい方法で登録する必要がありました。
隔日勤務では長時間乗務するため、休憩をしっかり取ることも大切です。
④「人員」ボタン|乗車人数を表示する
左から4番目にあるのが「人員」です。
これは、お客さんの人数に関係するボタンでした。
当時の記録では、お客さんが2人以上乗車した場合に押すことで、メーター中央のパネルに人数が表示される仕組みとして紹介しています。
1人のお客さんを乗せる場合には、通常押さなくても問題ありませんでした。
ただし、当時の機器の操作方法なので、現在の車両で同じ扱いになっているとは限りません。
⑤「未使用」|こちらも普段は使用しなかった
左から5番目のボタンも、当時は使用していませんでした。
メーターにはたくさんのボタンがありますが、こうして見ると、すべてを使っていたわけではないことが分かると思います。
⑥「経由」ボタン|途中でお客さんが降りる場合などに使う
左から6番目にあるのが「経由」です。
例えば、お客さんが2人乗車して、1人目がA地点で降り、2人目がB地点まで乗車する場合があります。
こうした途中の経由地を記録するときに使っていました。
当時の自動日報には、乗車地や降車地だけでなく、経由地の情報も記録される仕組みでした。
この「経由」ボタンを使うことで、後から日報を確認したときにも、途中でどこに立ち寄ったのかが分かるようになっていました。
普段の営業では毎回使うわけではありませんが、複数のお客さんを乗せるときなどに覚えておくと便利なボタンでした。
⑦「予約」ボタン|当時は使用していなかった
左から7番目は「予約」です。
名前からすると予約のお客さんに関係するボタンですが、私が働いていた頃は通常の営業で使用していませんでした。
予約配車の処理方法は会社やシステムによって異なると思いますので、現在の運用については勤務先で確認する必要があります。
⑧「早朝」ボタン|当時は使用していなかった
左から8番目にあるのが「早朝」です。
このボタンも、私が勤務していた頃は使用していませんでした。
「早朝」という名前ですが、朝の営業で必ず押すという意味ではありません。
ボタンの名称だけで判断せず、研修で教わった操作方法に従うことが大切です。
⑨「障割」ボタン|障害者割引に対応する
左から9番目が「障割」です。
これは、障害者割引に対応するためのボタンでした。
当時の記録では、対象となるお客さんから割引の申告があった場合に使用し、運賃が1割引になる仕組みとして紹介しています。
もちろん、割引の対象となる条件や確認方法については、会社の規定や制度に従う必要があります。
新人の頃は、通常の料金精算だけでなく、こうした割引があることも覚えておく必要がありました。
普段あまり使わない操作ほど、実際に必要になったときに迷うことがあるので、研修で確認しておくと安心だと思います。
⑩「迎・無」ボタン|迎車料金が無料になる契約先などに対応
一番右にあるのが「迎・無」です。
これは、当時の記録では、迎車料金を無料にする必要がある場合に使用するボタンでした。
私が働いていた頃は、通常の無線配車でお客さんの指定場所へ向かう場合、迎車料金が310円かかる運用でした。
ただし、取引先との契約によって、迎車料金を無料にしている会社もありました。
そうした場合に、このボタンを使って迎車料金を0円にしていました。
なお、310円という金額は当時の記録にあるもので、現在の迎車料金を示すものではありません。
また、現在の迎車料金や無料になる条件は、タクシー会社や配車サービスなどによって異なります。
左側4つ・下側10個のボタン一覧表
ここまで紹介したボタンを、一覧表にまとめます。
左側の4つのボタン
| ボタン | 当時の役割 |
|---|---|
| 迎車 | 無線配車を受ける際に使用 |
| 高速 | 高速道路の利用時などに操作 |
| 未収 | 当時は使用せず |
| 書込 | 帰庫時に営業データをカードへ書き込む |
下側の10個のボタン
| 位置 | ボタン | 当時の役割 |
|---|---|---|
| 左から1番目 | 累計 | その日の売上を確認 |
| 2番目 | 未使用 | 使用せず |
| 3番目 | 休憩 | 当時はカーナビ側で休憩を登録 |
| 4番目 | 人員 | 乗車人数を表示 |
| 5番目 | 未使用 | 使用せず |
| 6番目 | 経由 | 途中の経由地を記録 |
| 7番目 | 予約 | 当時は使用せず |
| 8番目 | 早朝 | 当時は使用せず |
| 9番目 | 障割 | 障害者割引に対応 |
| 10番目 | 迎・無 | 迎車料金を無料にする場合に使用 |
こうして一覧にすると、14個のボタンがあっても、普段の営業で使うものは限られていたことが分かると思います。
新人タクシー運転手はどのボタンから覚えるべき?
私の経験では、最初から14個すべての操作を完璧に覚えようとする必要はありませんでした。
まずは、普段の営業で使用するボタンの場所と役割を覚えることが大切です。
特に「迎車」「高速」「書込」「累計」は、当時の私にとって覚えておきたいボタンでした。
「経由」「障割」「迎・無」などは、特定の場面で使うものなので、必要なときに慌てないよう、研修で操作方法を確認しておくと安心です。
私が働いていた頃は、毎日30組ほどのお客さんを乗せることもありました。
1カ月も営業を続ければ、何度も繰り返す操作には自然と慣れていきます。
もちろん、操作を覚える早さには個人差がありますが、ボタンの数だけを見て心配する必要はないと思います。
操作に迷ったときは自己判断しない
ただし、料金に関係する操作は間違えるとお客さんに迷惑をかけてしまいます。
特に割引や迎車料金の処理など、普段あまり使わない操作については、分からないまま進めないことが大切です。
研修中にメモを取っておき、独り立ちした後でも不明な点があれば、営業所などに確認するようにしましょう。
走行中にメーターを注視したり、無理に操作したりせず、安全な場所に停車して確認することも重要です。
タクシーメーターのボタンについてよくある疑問
メーターのボタンは全部覚える必要がありますか?
勤務先で必要な操作は覚える必要がありますが、私が働いていた頃は使用しないボタンもありました。
まずは研修で指定された基本操作を優先して覚えるとよいと思います。
「迎車」と「迎・無」は何が違うのですか?
私が使用していた機器では、「迎車」は無線配車を受ける際に使い、「迎・無」は迎車料金を無料にする必要がある場合に使っていました。
現在の機器や会社では操作方法が異なる可能性があります。
「書込」ボタンはいつ押すのですか?
私が勤務していた頃は、営業を終えて帰庫したときに押していました。
メモリーカードに営業データを書き込み、営業所で自動日報を印刷するためです。
「経由」ボタンはどんなときに使いますか?
私が使っていたメーターでは、複数のお客さんを乗せて途中で1人が降りる場合など、経由地を記録するときに使用していました。
まとめ|左側と下側のボタンも、使う場面を覚えれば難しくない
今回は、タクシーメーターの左側4つと下側10個のボタンを紹介しました。
私が勤務していた頃は、14個すべてを頻繁に使うわけではありませんでした。
無線配車を受ける「迎車」、高速道路を利用するときの「高速」、営業終了時の「書込」、売上を確認する「累計」など、使う場面を覚えておけば操作しやすくなります。
また、途中でお客さんが降りるときの「経由」や、割引に対応する「障割」など、特定の場面で必要になるボタンもありました。
新人の頃はボタンが多くて不安になるかもしれませんが、実際に乗務を重ねることで少しずつ慣れていくと思います。
前回の記事では、右側にある「空車」「実車」「支払」「合計」の4つのボタンについても紹介しています。
【前回の記事】:「タクシーメーターの使い方を元運転手が解説!空車・実車・支払・合計ボタンとは?」
これからタクシー運転手を目指す方は、右側・左側・下側のボタンの役割を知っておくと、研修の内容も理解しやすくなるのではないでしょうか。
※この記事は2012〜2015年頃の個人的な勤務経験と当時の記録に基づいています。現在のメーター操作、料金制度、配車方法、割引条件を示すものではありません。当サイトはグリーンキャブの公式サイトではありません。


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