タクシーの自動日報とは?元運転手が売上・走行記録の見方と活用方法を紹介!

タクシー運転手って、1日に何人のお客さんを乗せたのか、どこからどこまで走ったのか、どうやって記録しているのか気になりませんか?

昔は乗車地や降車地などを手書きで記入する仕事もありましたが、私が東京都内のタクシー会社「グリーンキャブ」で働いていた頃には、自動日報という便利な仕組みが導入されていました。

これがなかなか優れもので、お客さんを乗せた時間や場所、料金だけでなく、走行速度や休憩時間まで記録されるんです。

しかも、営業所で印刷した日報は持ち帰ることができたので、私は毎回、自宅のパソコンで売上を管理していました。

今回は、実際に使っていたタクシーメーターの写真と当時の日報を紹介しながら、自動日報の仕組みや活用方法をお話しします。

※この記事は2012〜2015年頃の私自身の勤務経験をもとにしています。現在のタクシー会社の設備や日報システムとは異なる場合があります。

タクシーの自動日報とは?昔の手書き日報との違い

タクシーの日報は、その日にどのような営業をしたのかを記録するものです。

昔のタクシー運転手は、お客さんをどこで乗せて、どこで降ろしたのか、乗車時間や運賃などを手動で記入する必要がありました。

お客さんを降ろすたびに記録するとなると、かなり手間がかかりますよね。

ところが、私が働いていた頃のタクシーには、GPSなどと連動した自動日報のシステムがありました。

お客さんを乗せた場所、降ろした場所、乗車・降車時間、走行距離、運賃などが自動的に記録されます。

そのため、お客さんから乗車代金を受け取ったら、日報を手書きするために時間を使う必要がなく、次のお客さんを探しに行けました。

この違いは、実際に営業する運転手にとって大きいと思います。

特にお客さんが多い時間帯は、余計な作業を減らせるだけでも助かりますからね。

実際に使用していたタクシーメーターを紹介

まずは、私が乗務していたタクシーのメーターの写真をご覧ください。

グリーンキャブで実際に使用していたタクシーメーターとメモリーカード挿入口

写真は、当時のグリーンキャブの車両に取り付けられていたタクシーメーターです。

右側には「空車」「実車」「支払」「合計」といったボタンがあります。

お客さんを乗せたときや、料金を精算するときなどに操作するものです。

そして、今回注目してほしいのが、メーターの下側にあるメモリーカードの差し込み部分です。

このメモリーカードに、1日の営業データを記録していました。

帰庫するときは「書込」ボタンを押す

1日の営業が終わって営業所に戻ったら、メーターの左側にある「書込」ボタンを押します。

これによって、営業データをメモリーカードに書き込む仕組みでした。

その後、カードを取り出して営業所にある専用端末に差し込みます。

すると、その日の営業内容が記録された日報がプリントアウトされるんです。

私が使っていたシステムでは、日報が2種類ありました。

それが「日報1」と「日報2」です。

日報1には乗車地・降車地・運賃などが記録される

日報1は、その日の営業実績が一覧で分かるものです。

実際に当時保存していた日報の例を紹介します。

タクシーの自動日報1に記録された売上・乗車履歴の実例

この日報の例では、次のような記録が残っています。

項目 当時の日報の記録例
出庫時刻 7時06分
帰庫時刻 翌3時34分
乗車組数 38組
税込運収 71,620円
税抜運収 68,210円
走行距離 283km

この日は38組のお客さんを乗せて、税込で71,620円の売上があったことになります。

※上記は当時の実際の日報に記載された一例です。毎回この売上になるわけではありません。

日報1には、こうした合計金額だけでなく、各乗車の時間や乗車地、降車地、走行距離、運賃なども一覧で記録されていました。

つまり、その日にどこを走って、どれくらい売上があったのかを後から振り返ることができるわけです。

知らない地名や道を復習することもできた

この日報が便利だったのは、売上の確認だけではありません。

例えば、その日にお客さんから指定された目的地で、あまり知らない場所があったとします。

営業中は次のお客さんを探すので精いっぱいでも、帰宅してから日報を見れば、どの辺りに行ったのかを振り返ることができます。

私は土地勘のない地域があれば、自宅で地図を見て復習することもありました。

タクシー運転手は道を覚えることも大切な仕事です。

こうした日々の積み重ねが、次の営業に役立つと思っていました。

日報2では走行速度や休憩時間まで分かる

もう一つの日報2は、日報1とは少し違います。

こちらは、1日の運転状況をグラフなどで確認できるものです。

タクシーの自動日報2に記録された休憩時間、走行速度の実例

横軸が時間になっていて、どの時間帯に走行していたのか、休憩していたのかといった情報が表示されます。

さらに、走行速度も記録されていました。

私が保存していた日報2を見ると、速度の変化がグラフになっていて、どの時間帯に何km/h程度で走っていたのかが分かります。

運転手からすると、なかなか細かいところまで記録されているんだなと思いました。

速度の記録は無理な運転を防ぐことにもつながる

タクシー運転手は売上が給料に影響することもあるので、どうしても効率よく営業したいと考えます。

しかし、売上を増やしたいからといって、無理な運転をしてよいわけではありません。

日報2には走行速度が残るので、速度を出しすぎた場面があれば後から確認できます。

実際、私が保存していた日報のグラフにも、一般道で約70km/hが記録されたと見られる箇所がありました。

その道路の規制速度や状況までは日報だけで判断できませんが、こうした記録を見ることで、自分の運転を振り返るきっかけになります。

会社側にとっても、運転状況を把握するための資料になると思います。

休憩時間もデータとして残る

日報2には、休憩していた時間も記録されていました。

私が働いていた頃は、メーターなどの操作で休憩を登録する仕組みがありました。

そのため、1日の営業が終わってから、何時間休憩したのかを確認することができます。

タクシーは長時間の隔日勤務なので、休憩を取ることはとても大切です。

売上だけでなく、休憩が足りていたかどうかも振り返れるのは便利でした。

営業所には仮眠室も用意されていた

休憩の話でもう一つ、当時の営業所について紹介します。

私が勤務していた営業所には、運転手が利用できる仮眠室がありました。

大部屋に2段ベッドが30台ほど並んでいて、単純計算では最大60人ほどが同時に横になれる規模でした。

布団や毛布も用意されていたので、営業を終えて疲れているときにはありがたい設備でしたね。

私が利用していたときは、実際に仮眠している運転手は10人ほどだった印象です。

私自身も、日報を見て「今日はあまり休憩を取れなかったな」と感じることがありました。

そんなときは、帰宅前に営業所の仮眠室で少し休んでから帰ることもありました。

長時間の乗務を終えた後は、帰宅するまでの移動にも注意が必要です。

眠気が強い状態で無理に帰ろうとせず、休める設備があるのは助かりました。

なお、仮眠室の設備や利用条件は営業所によって異なると思います。

休憩時間や1日の仕事の流れに関しては下記の記事で詳しく記載しています。

【関連記事】:「タクシー運転手の1日の仕事の流れと休憩時間を紹介」

私は毎回日報を持ち帰ってExcelで売上を管理していた

私の場合、日報を確認するのは営業所だけではありませんでした。

毎回日報を持ち帰って、自宅のパソコンでExcelに売上を入力していました。

記録していたのは、基本的にその日の運収です。

1回の乗務でいくら売り上げたのかを入力して、月の合計を計算していました。

こうしておくと、月の途中でも「今月はどれくらいの売上になりそうかな」と予測できるんです。

タクシーの給料は売上によって変わる部分があるので、毎月の運収を把握しておくことは私にとって大切でした。

運収から翌月の手取りを予測していた

当時、私が自分の給料を予測するときは、月間運収の約60%を一つの目安にしていました。

そこから税金や社会保険料などの控除を差し引いて、実際に手元に残る金額を考えていました。

例えば、あくまで当時の私の大まかな計算方法ですが、次のようなイメージです。

項目 試算例
月間運収(計算用) 800,000円
運収の60% 480,000円
控除額の仮定 100,000円
予想手取り 380,000円

※これは説明用の仮定であり、実際の給与明細や当時の特定月の手取り額ではありません。また、運収の税込・税抜の扱い、歩合率、各種手当、控除額は会社や個人によって異なります。

私の場合は、このようにざっくり計算して、翌月の給料がどれくらいになりそうかを考えていました。

もちろん、実際の給料は会社の給与計算によって決まるので、Excelの予測と完全に一致するわけではありません。

それでも、毎回の売上を記録しておくと、月末までの目標が立てやすくなります。

給料の予測ができると仕事のやる気にもつながった

私がExcelで売上を管理していた理由は、数字を見るのが好きだったからだけではありません。

「今月はこのくらいの給料になりそうだから、来月は何を買おうかな」

「これくらいなら貯金できそうだな」

そんなことを考えるのも楽しみだったんです。

もちろん、毎回思いどおりに売上が伸びるわけではありません。

それでも、自分の頑張りが数字で見えると、次の乗務も頑張ろうという気持ちになりました。

日報は会社に提出するだけの書類ではなく、自分の仕事を振り返るためにも役立つものだと感じていました。

タクシーの自動日報についてよくある疑問

乗車地や降車地は自分で入力するのですか?

私が働いていた頃の自動日報では、GPSなどと連動していたため、基本的に手書きする必要はありませんでした。

ただし、記録方法や操作は会社のシステムによって異なります。

日報は運転手も持ち帰れますか?

私が勤務していた営業所では、印刷された日報を持ち帰ることができました。

私はその日報を使って、地理の復習やExcelでの売上管理をしていました。

現在の持ち帰りルールや個人情報の取り扱いは、勤務先に確認してください。

走行速度や休憩時間も記録されますか?

私が使用していた日報2には、走行速度のグラフや休憩時間などが記録されていました。

ただし、現在のすべてのタクシーで同じ項目が記録されるとは限りません。

自動日報があれば給料も分かりますか?

日報で1日の売上を確認できれば、月間運収の合計を計算することはできます。

ただし、実際の給料は歩合率や手当、控除などによって決まるため、日報の売上だけで正確な手取り額が分かるわけではありません。

まとめ|自動日報は売上管理だけでなく仕事の振り返りにも便利だった

今回は、私がグリーンキャブで働いていた頃に使用していた自動日報について紹介しました。

当時のシステムでは、乗車地・降車地・時間・運賃・走行距離などが自動的に記録され、帰庫後にメモリーカードから日報を印刷することができました。

さらに、日報2には走行速度や休憩時間なども記録されていました。

私にとって特に便利だったのは、日報を持ち帰って自宅で振り返ることができたことです。

知らない地理を復習したり、Excelで月間運収を計算したり、翌月の給料を予測したりと、いろいろ活用していました。

今振り返ってみても、タクシーの自動日報は運転手にとって便利な仕組みだったと思います。

これからタクシー運転手を目指す方にも、仕事のイメージをつかむ参考になればうれしいです。

※この記事は2012〜2015年頃の個人的な勤務経験と当時保存した資料に基づいています。現在の会社の設備・勤務条件・給与制度を示すものではありません。当サイトはグリーンキャブの公式サイトではありません。