タクシー運転手の隔日勤務はきつい?元運転手が1日の仕事の流れと休憩時間を紹介!

タクシー運転手の仕事を調べていると、「隔日勤務」という言葉をよく見かけますよね。

1回の勤務で長時間働いて、翌日は休みになるという勤務形態です。

ただ、実際に何時から何時まで働くのか、途中で休憩は取れるのか、初めての方には分かりにくいと思います。

私も以前、東京都内のタクシー会社「グリーンキャブ」で隔日勤務をしていました。

今回は、私が働いていた当時の記録と実際の体験をもとに、1週間のシフトから出庫・営業・休憩・帰庫まで、タクシー運転手の1日の流れを紹介します。

また、当時よく営業していた渋谷駅周辺のことや、休憩場所、深夜の長距離客についてもお話ししたいと思います。

なお、この記事は2012〜2015年頃の勤務経験に基づいています。現在の勤務制度や労働時間のルール、会社ごとの勤務条件とは異なる場合があります。

タクシー運転手の隔日勤務とは?1週間のシフトを紹介

私が働いていた頃の勤務形態は、基本的に「隔日勤務」でした。

隔日勤務というのは、1回の乗務で長時間働き、翌日は「明番(あけばん)」(要するに休み)になる働き方です。

例えば、当時のシフトには次のようなパターンがありました。

曜日 勤務
月曜日 出番(乗務)
火曜日 明番
水曜日 出番(乗務)
木曜日 明番
金曜日 出番(乗務)
土曜日 明番
日曜日 公休

この例だと、月・水・金の3回乗務して、日曜日が公休になります。

もちろん、毎週必ずこの曜日で固定されていたわけではありません。営業所によっては、曜日がずれるシフトもありました。

また、日曜日は営業していないという意味ではなく、希望によって日曜勤務ができる場合もありました。

当時は早番や遅番などの勤務形態もありましたが、今回は私が経験した隔日勤務を中心に紹介します。

タクシー運転手の1日の仕事の流れ

まずは、朝7時に出庫する場合の勤務例を紹介します。

時間帯 主な仕事内容
出庫前 車両点検・点呼・アルコールチェック
朝7時頃 出庫して営業開始
午前中 通勤客などを中心に営業
11〜13時頃 昼食・休憩
午後 駅や繁華街などで営業
20〜22時頃 仮眠を含む夜間休憩
深夜 終電後の利用客などを中心に営業
翌朝3時まで 帰庫・入金・洗車など

※これは当時の勤務例です。実際の出庫時刻や休憩の取り方は、その日の勤務状況によって異なります。

朝7時に出庫した場合、当時の勤務例では翌朝3時までに帰庫する必要がありました。

こうして見ると、やはり1回の勤務時間は長いですよね。

ただ、20時間ずっとお客さんを乗せて走り続けるわけではありません。途中で食事や休憩、仮眠を取りながら仕事をしていました。

出庫前は車両点検からスタート

タクシーの仕事は、車に乗ってすぐに営業開始というわけではありません。

まずは、その日に乗る車両を確認して、点検を行います。

私が働いていた頃は、エンジンルームの各種油量やランプ類などを確認していました。

車内の設備にも不具合がないか、乗務前にチェックします。

この車両点検にかかる時間は、私の場合でだいたい10分くらいでした。

点検項目が書かれた専用の用紙があり、確認した項目にチェックを入れていきます。

そして、点呼の際にはそのチェック用紙を課長に提出して、印鑑をもらう必要がありました。

ただ車を見て終わりではなく、きちんと点検したことを記録として残す仕組みになっていたんですね。

お客さんを乗せる仕事なので、車の状態を確認しておくことは大切です。

点呼とアルコールチェックも行う

車両点検が終わると、営業所で点呼を受けます。

当時は運行管理者から交通安全についての注意事項や連絡事項を聞き、アルコールチェックなども受けていました。

私が使っていたアルコールチェックの機械は、ストローを差し込んで息を吹き込むタイプでした。

そして、この機械にはカメラも内蔵されていて、息を吹き込む際に運転手の顔写真も撮影される仕組みになっていました。

そのため、ほかの人に代わりにアルコールチェックを受けてもらうことができないようになっていたんですね。

こうした仕組みを見ると、飲酒運転の防止について、会社側もかなり厳しく管理していたことが分かります。

点呼自体はそれほど長いものではありませんでしたが、免許証を忘れていないか、体調に問題はないかといったことも大切です。

タクシーは長時間運転する仕事ですから、前日の睡眠不足にも気をつける必要がありました。

午前中は通勤客などを中心に営業

点検や点呼を終えたら、いよいよ出庫です。

私が働いていた頃は、朝7時から10時頃までの時間帯に、通勤客などを狙って営業することがありました。

例えば、自宅から病院に行く方や、東京23区の端の方から都心の会社へ出勤する方、最寄り駅までタクシーを利用する方などです。

朝は急いでいるお客さんも多いので、短い距離でもタクシーを必要としている方がいます。

また、23区の外側から都心に向かうお客さんに出会えると、比較的長い距離の乗車になることもありました。

当時は、この時間帯だけで1万円ほどの売上を目指すこともありました。

もちろん、毎回必ずその金額になるわけではありません。

どの場所でお客さんを探すかによっても、売上は変わってきます。

昼休憩は11〜13時頃に取っていた

午前中の営業が一段落したら、昼食や休憩を取ります。

私が働いていた頃は、11時から13時頃の間に休憩することが多かったです。

ただ、この時間帯は飲食店も混雑しやすいんですよね。

それ以上に困るのが、車を止める場所です。

東京都心では、コンビニにしても飲食店にしても、駐車場がない店舗が多いんです。

そのため、私の周囲でもコンビニで弁当やパンなどを買って、車内で食事を済ませる運転手が多かったですね。

私自身も、車内で昼食を取ることがよくありました。

特によく利用していたのが、代々木上原駅の近くにあったローソンです。

当時、そこには駐車場があったので、私にとってはありがたい休憩場所でした。

都心で営業していると、駐車できるコンビニがあるだけでも助かるんですよね。

もちろん、駐車場を利用するときは店舗のルールを守る必要がありますし、現在も同じ駐車場があるかどうかは分かりません。

タクシーの場合、どこでも自由に車を止めて休めるわけではないので、休憩場所を確保することも仕事のうちだと感じていました。

休憩中は表示を「回送」に切り替えていた

ここで、実際に私が乗務していたタクシーの写真を紹介します。

タクシー車内から撮影した空車・回送表示器の裏側と切り替えスイッチ

この写真は、タクシーの前方に取り付けられていた表示器を、車内側から撮影したものです。

表示器の右側には切り替え用のスイッチがあり、これを操作して「回送」や「空車」などの表示を切り替えていました。

休憩するときは「回送」に切り替え、休憩が終わって営業を再開するときは「空車」に戻す、といった使い方をしていました。

普段、お客さんとしてタクシーに乗っていると、こうした表示の切り替え操作を見る機会はあまりないかもしれませんね。

実際に運転席に座って仕事をしていると、こうした操作も日常の一部でした。

午後は渋谷駅のタクシー乗り場などで営業

昼休憩を終えたら、再び営業を始めます。

午後は、タクシー専用の乗り場や駅周辺などでお客さんを探すことがありました。

当時、私がよく利用していたのが、渋谷駅のタクシー乗り場です。

渋谷駅のタクシー乗り場は、私が営業していた頃は比較的回転が早く、効率よくお客さんを乗せることができました。

タクシー乗り場によっては、長時間並んでもなかなか順番が回ってこないことがあります。

その点、当時の渋谷駅は私にとって営業しやすい場所の一つでした。

そして何より大きかったのが、自分が慣れ親しんだ地域で営業できることです。

土地勘があるので、道に迷ったり、目的地までのルート選びで戸惑ったりすることが少なく、安心して営業できました。

タクシー運転手の仕事では、地理に詳しいことが大きな強みになると感じていました。

もちろん、駅の乗り場に並べば必ずすぐにお客さんが乗ってくれるわけではありません。

その日の状況を見ながら、どこで営業するかを考える必要がありました。

当時の記録では、夕方18時頃には売上が4万円前後になっていることを一つの目安にしていました。

これも毎回達成できる数字という意味ではなく、営業中に意識していた目標の一例です。

夜間は仮眠を取って体を休めていた

隔日勤務で特に大切だと感じていたのが、夜間の休憩です。

私は20時から22時頃の間に、約1時間の休憩を取ることがありました。

夜間の営業が始まる前に、少しでも体を休めておきたかったからです。

タクシーは長時間運転する仕事なので、疲れたまま無理をして走るのは危険です。

当時は車を止めて、運転席のシートを後ろに倒して仮眠を取っていました。

ただ、タクシーの運転席は、シートを倒しても完全に180度のフラットにはならないんですよね。

そこで私が当時利用していたのが、五反田方面から目黒方面に向かう、首都高速2号目黒線の高架下付近にある上り坂の道路でした。

上り坂に車を止めると、車体の傾きによって背もたれが水平に近い角度になり、平坦な場所よりも寝やすく感じたんです。

私の場合は、そうした場所で1時間ほど仮眠を取ることがありました。

これはあくまで当時の私の経験です。坂道や道路上での駐車には、車両の逸走や交通事故、駐車違反などの危険がありますので、現在の休憩場所としておすすめするものではありません。

現在なら、勤務先が認める安全な駐車場所や休憩施設を利用することが大切です。

短時間でもしっかり休めると、その後の運転が少し楽になると感じていました。

特に深夜の営業を続けるには、眠気や疲れをため込まないことが重要だと思います。

深夜は終電後のお客さんを狙って営業

夜間の休憩を終えたら、再び営業です。

当時の東京では、22時から翌朝5時まで深夜早朝割増運賃が適用されていました。

そのため、深夜帯はタクシー運転手にとって売上を伸ばすチャンスでもありました。

特に終電が終わる23時以降は、電車で帰れなくなった方がタクシーを利用することも多くなります。

そのため、この時間帯になると、都心の繁華街や駅前にはお客さんを探すタクシーが多く集まる傾向がありました。

深夜に期待していた「お化け」と「万収」とは?

タクシー運転手が深夜に期待しているのが、いわゆる「お化け」や「万収(まんしゅう)」と呼ばれるお客さんです。

「お化け」とは、思いがけず現れる長距離のお客さんのことです。特に、深夜にかなり遠くまで乗車するようなお客さんを指して使われていました。

一方、「万収」とは、1回の乗車で運賃が1万円以上になることをいいます。

私が営業していた頃は、渋谷や西麻布あたりでお客さんを乗せて、神奈川県の横浜方面や埼玉県方面まで行くことができれば、万収になることもありました。

また、六本木や赤坂あたりでは、神奈川県・埼玉県・千葉県など、いろいろな方向への長距離のお客さんに出会える可能性がありました。

こうした長距離のお客さんに当たると、高速道路を使って一気に目的地まで向かうこともあります。

1回の乗車でまとまった売上になるので、運転手としてはやはりうれしいものです。

実際には1,000〜3,000円程度の乗車が多かった

ただし、長距離のお客さんばかり乗せられるわけではありません。

私の経験では、終電後に営業していても、そうしたロングのお客さんに当たるのは1割にも満たないくらいの感覚でした。

実際には、1回の乗車で1,000〜3,000円程度のお客さんが多かったですね。

そのため、深夜に繁華街で営業すれば必ず万収になるというわけではありません。

タクシーも多く集まりますし、なかなかお客さんを乗せられない日もあります。

それでも、思いがけず長距離のお客さんに出会えることがあるので、深夜は売上を伸ばせる可能性のある時間帯でした。

ただ、深夜は疲れや眠気も出やすい時間帯です。売上を追いかけることも大切ですが、無理をせず安全運転を心がけていました。

営業が終わったら帰庫・入金・洗車

タクシーの仕事は、営業が終わったらそのまま帰宅できるわけではありません。

営業所に戻ってからも、いくつか作業があります。

1日の売上を入金する

営業所に帰ったら、まずその日の売上を精算します。

当時は、売上金を機械に納金する作業がありました。

この作業には15〜30分ほどかかることがありました。

1日の売上を確認する時間でもあるので、営業を振り返るきっかけにもなります。

1カ月の給与明細は下記の記事でも紹介しています。

【関連記事】:「タクシー運転手の給料は実際いくら?給与明細を公開!」

最後にタクシーを洗車する

入金が終わったら、車を洗車して乗務終了です。

当時の営業所には洗車スペースがあり、自分で洗車することもできました。

また、料金を支払って洗車を依頼する方法もありました。

次に乗務する人が気持ちよく使えるよう、車をきれいにしておくことも仕事の一つでした。

隔日勤務はきつい?実際に働いて感じたこと

では、隔日勤務はきついのでしょうか。

私が働いていて感じたのは、やはり1回の勤務が長いということです。

朝から営業を始めて、夜も走り、帰庫する頃には翌日になっています。

特に夜間は眠気や疲れが出やすいので、休憩の取り方が重要でした。

一方で、翌日が明番になるという働き方には、日勤とは違った特徴があります。

ただし、明番は単純に丸1日自由に過ごせる休日というわけではありません。

例えば、朝方に帰庫してから帰宅し、睡眠を取っていると、それだけでかなりの時間が過ぎます。

当時の記録では、営業所での仕事が終わってから自宅に帰るまでにも時間がかかっていました。

そのため、隔日勤務を考えている方は、出庫から帰庫までの時間だけでなく、通勤時間や睡眠時間も含めて生活を考えるとよいと思います。

タクシー運転手の隔日勤務についてよくある疑問

隔日勤務は毎日出勤するのですか?

いいえ。隔日勤務は、基本的に出番と明番を組み合わせる勤務形態です。

私が働いていた頃は、月・水・金に出番、火・木・土に明番、日曜に公休というようなシフト例がありました。

休憩は自由に取れますか?

当時は営業状況に合わせて休憩することがありましたが、どこでも自由に駐車できるわけではありません。

安全に休める場所を確保し、必要な休憩時間を取ることが大切です。

仕事が終わるのは何時頃ですか?

私が働いていた頃は、朝7時出庫なら翌朝3時までに帰庫するという勤務例がありました。

ただし、出庫時刻や勤務形態は会社やシフトによって異なります。

まとめ|タクシー運転手の1日は長いけれど休憩も大切

今回は、私がタクシー運転手として働いていた頃の隔日勤務と、1日の仕事の流れを紹介しました。

車両点検と点呼から始まり、午前中の営業、昼休憩、午後の営業、夜間の仮眠、深夜営業、そして帰庫後の入金と洗車まで、1回の乗務でやることはいろいろあります。

振り返ってみると、渋谷駅のタクシー乗り場で営業したり、駐車できるコンビニを探して昼食を取ったり、深夜に万収のお客さんを期待したりと、日々いろいろなことを考えながら仕事をしていました。

隔日勤務は勤務時間が長いので、体調管理や休憩の取り方が大切だと感じていました。

これからタクシー運転手を目指す方は、給料だけでなく、実際の勤務スケジュールや休憩時間も確認してみてください。

この記事が、タクシー運転手の仕事を具体的にイメージする参考になればうれしいです。

※この記事は2012〜2015年頃の個人的な勤務経験と当時の記録をもとにしています。現在の労働時間・休憩・運賃・勤務条件を示すものではありません。当サイトは勤務先企業の公式サイトではありません。

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